俳優とフェルデンクライス

  • 2012.02.24 Friday
  • 12:36
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フェルデンクライスメソッドは、
欧米では演劇の大学や学校の授業でもおこなわれています。
演出家のピーター・ブルックもモーシェ・フェルデンクライスと親交があり
メソッドを取り入れていました。

私も、フェルデンクライスの本に出会ったのは演劇科の学生の頃で
とても興味をひかれましたが、当時はまだ日本にはプラクティショナーはいませんでした。

ところで
俳優に必要なからだのメンテナンスには、さまざまな種類のものがありますね。

まず、基礎体力。
長期間の稽古をし、2-3時間の舞台に立つのには、すごくエネルギーがいります。

俳優さんによって、それぞれのやり方を持っていることでしょう。
でも、過剰な筋トレをして、硬い筋肉で体を覆ってしまうと
全体のつながりを失い、しなやかに表現できる体からは遠ざかってしまうので
気をつけた方がいいですね。

それから。ハードなパフォーマンスや疲労による体の痛みやトラブル。
整体やマッサージなど いろいろな解決法を試していると思います。

動きや所作のための、ダンスや日舞などのレッスン。
人によっては武術や殺陣とか、アクロバット。

声を作るためのボイス・トレーニング?

‥まだまだあるかもしれません。
挙げていくとキリがないくらい。
俳優さんにはたくさんのことが必要ですね。


‥基礎体力については、フェルデンクライスは向いてないかなー?
自分の好きな方法でつけていただきましょうー。

色々な体のトラブルには役に立ちます。
フェルデンクライスは、リハビリや医療の分野でも注目する人が増えていますが、
整体などとは違うアプローチです。

治療ではありません。
でも、症状の原因になる体の使い方を改善していくので
トラブルの軽減や、トラブルを起こしにくくなるようになります。
スポーツ選手などは、怪我をしにくくなったり、また怪我をしても回復が早くなるようです。

声に関しても、発声は全身を使うものなので、
体の調整が大きく関わります。


鴻上尚史さんの本に 『表現する体』 のための2つの視点が書いてあって
なるほどー、と思ったのですが。

『体の外側へ』 と 『体の内側へ』

『外側へ』 というのは、自分が外からどう見えるかを意識すること。
自分が表現したいと思うことが、ちゃんとそう見えるように外側に現れているか。
自分のイメージと 他人が外から見た自分には、ズレがあるかもしれない。
その誤差を埋め、外から見える自分を意識するために
ダンスや日舞などのレッスンをする。
つまり 『イメージ通りに動くことのできる体』 です。

『内側へ』 というのは、体の内側に意識を向けること
余分な筋肉の緊張やクセのない、『リラックスした 楽な体』。
そうでないと、自由に感情を表現したり、表現に合った声を作ることができない。

フェルデンクライスは、
 『内側へ』 の方にかかわるレッスンかと思います。

でも、この内側と外側というのは、完全に分けることはできません。
内側がリラックスしていないと、結局イメージ通りには動けないのだから‥。
フェルデンクライスは、動きを改善し
クセや緊張のないニュートラルな状態を作ります。

『緊張』 というと、何か あがったり、ガチガチにかたくなったりする状態をイメージするかもしれませんが
それだけではありません。

誰にでも 自分で力を入れていることにさえ気づいていないような
習慣的な緊張やこわばりがあって、不必要な努力をしています。
体の使い方のクセですね。
これが、上手くやりたいと思っていることや、快適な生活の妨げになっています。

 自分自身に注意を向け
 必要のない力を使うのをやめること。
 そういう、長い時間をかけて身につけてしまった習慣を手放すための 『体の学習法』。
 それが、フェルデンクライスのレッスンです。


色々ありますが
私は、自分のHPで、フェルデンクライスを俳優さんにお勧めする理由として3つのことをあげています。

 ・ニュートラルな状態を作る
 ・自分に対するイメージを広げる
 ・体から感情が生まれる       です

1つ目の 『ニュートラル』 というのは
余分な緊張やクセがない、
ちょうど振り子が止まっているような状態。

何も力がいらなくて、少しの力でどちらの方向にも動くことができる。
演じる前の、白紙の0(ゼロ)に近い状態。

どこか ある1点に偏った状態だと、選択肢が少なくなるけど
ニュートラルな場所からは、たくさんの選択肢があり、
そして色々な表現ができます。

習慣やクセの上に何かを積み重ねても、
新しいものを作ったり、学んだりすることはできない。
演劇に限らず、何をする場合にも
できるだけ まっさらに近い状態でいるということは大切ですね。


2つ目の 『セルフイメージ』 については
前回の 『アートとフェルデンクライス』 にも書いたのですが

体の使い方に選択肢が増えると、自分に対するイメージが広がります。
セルフイメージと同時に、自分が演じる役柄のイメージも広がります。
自分が演じているところをイメージできないような役を演じるのは 難しいと思いませんか?


3つ目の 『感情』 についてですが
前に 『気持ちと からだ』 のところに書いたように
感情というのは体の感覚なしには成立しません。

また、それぞれの感情には、特有の体の使い方があり
体の方から感情を生み出すことができます。
体の自由さは、感情の自由につながります。

アメリカのアクターズ・スタジオの リー・ストラスバーグの本に
 『背中の上部と下部の筋肉には劇的性質の印象(記憶)がとどめられていて、
  ここの筋肉がリラックスしないうちは感情を自由に表現できない』
とあります。

似たようなことが、日本の整体の本にもあって、
胸椎の4番(背骨の胸の部分の上から4つ目)は、感情と連動しているのだそうです。

体のどこかに強い劇的な記憶がとどめられているとか
背骨が感情に連動しているということは
科学的に立証されているかどうかはわからないけど、

たしかに、体がリラックスしてゆるんだときに
抑えていた感情があふれてきたり
何か過去の思いがよみがえってくるというのは、わかる気がしますね。


さて、
一度のレッスンで、『これは役に立ちそうだ』 とピンと来る人もいるかもしれないし、
何度かやっても よくわからないという人もいるかもしれません。

フェルデンクライスのレッスンは、ボイストレーニングやダンスのように
ダイレクトに結果につながるものではないし、

ニュートラル・セルフイメージ・感情というのは
レッスンとの因果関係がわかりにくいものでもあります。

それに、フェルデンクライスのレッスンは激しく動いたりしないので
『やった感』 に欠けるかもしれません。
‥汗をかかないとやった気がしない人には、物足りないと感じられるかもしれませんね

また、すでに自分なりの方法を持っていて、
もうこれ以上必要ないと思っている人も多いかもしれません。

でも、フェルデンクライスは、
たぶん他のどんな方法とも違ったアプローチですし、
また、先ほど書いた「体の内側へ」 というレッスンは、あまり実践している人はいないと思うので
ぜひ、試してみてほしいな、と思います。


どんなレッスンでもそうですが、
やはり継続することは大切です。

もちろん1回のレッスンでも色々な効果があります。

でも、たとえば
1回ご飯を食べてお腹がいっぱいになり、満足したとします。
栄養を補給して、疲れがとれたり元気になったり、たくさんのいいことがあります。

でも、本当に体を変えるためには、よい食生活を継続することが必要ですよね。
それと同じです。

  長くなっちゃいましたね
                                 ‥続きはまた。

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